富士ゼロックスKDI の「サラサラの組織」を読みました。珍しく組織の本を読んだのは、勧められたからです。多謝。
正当な意志をもつ、現場を観察、暗黙知をつなぐ、自発の活力を待つ、相互共感を演出、矛盾の超越、変化の継続という7つのプラクティスを通して組織を変革するのだ、という内容です。小説仕立てのストーリー、解説、事例という構成です。
使命感が湧きつつも、いざ実践的しようとか思うと不安になる本です。というわけで、一緒に読んでくれる人募集。
[...] 物語は誰もがいきいきと話す。ノウハウやセオリーを挙げてくれと言ったら、全員が口をつぐんだだろう。 (p.50)
たぶんライトニングトークでも、ユーザ会でも、組織での情報共有でも、こういうのが敷居が低くかつ効果のありそうなコミュニケーションだと思います。経験を語るときはとくにそうですが、正しいとか間違っているとかではなくて「こんなことがありました」というだけでよいので。
コミュニティの価値はアウトプットではなく、インプットです。最先端の知識、新たな知識を必要とする社員が、その知識にアクセスするための媒介となるのがコミュニティです。 (p.44)
この発想はなかったです。ROI 重視になるとアウトプットばっかり考えてしまいます。
働き方を変えていこうという活動は、なかなか成果が見えにくい。経営トップからも、部門長からも、さらには隣に座っている社員からも、「いつになったら結果が出るの? 何のためにやっているの?」と問われる。[...] こういった局面で最も効果的なことは、誰もが大事と思うような「コト(イベント)」を起こすことである。(p.64)
ふむふむ。人脈も人望もない自分が人に影響を与えるには、自分ではなくてイベントを持ち出せばよいんだ。と曲解してみる。
さてさて、私はこの本での変革プラクティスと、かなりな勢いで対立する職業観を持っています。それは「属人性を可能なかぎり排除する」という考え方です。仕事をしているときには「私」の意見を述べないようにしています。会話の主語は「○○課△△部××担当」となるように心がけています。組織の歯車に徹するよう努めます。
そんなわけで私にとっては、かなりイノベーティブな内容です。いろんな人の意見を聞きたいなぁと思う次第です。