2012-12-04

中間地点としての PySpa - PySpaアドベントカレンダー4日目

このエントリは、PySpaアドベントカレンダー という「思いの丈を綴る(なんでも良い)」ブログイベント4日目の記事です。比較的歳をとってから、プログラマになろうとしたおっさんの吐露です。


能書き


PySpa とは「Python温泉」を語源とするはずで、開発合宿と見せかけて、なんとなくソフトウェア開発者やその周辺の人たちが、温泉旅館を借りきる集まりのひとつ、と理解しています。

アドベントカレンダー栄えある1日目は @akisutesama が書いているわけですが、いきなり事実誤認があるわけですよ。

例えば今回のアドベントカレンダー参加メンバーだと 
12/1 akisutesama
12/3 tokibito
12/4 torufurukawa
12/8 shimizukawa
あたりがPySpa経由で雇用されたビープラウド社員だったりします。

待てやこら。PySpa に初参加したときには、すでにビープラウドを退職した後ですよ。

とはいえ、私のソフトウェア開発者としてのキャリア形成で、PySpa は重要な要素なのです。さて、このアドベントカレンダー、なんでも良いって説明なので、俺のPythonとPySpaの話をしちゃうぞ♡  ハウツーとしての意味はありませんが、考古学的価値はあるかも知れません。


いまはむかし…


34歳ごろ、計測器メーカーでマーケティングの仕事をしつつ、2ちゃんねるの「35歳なんだけどプログラマになれる?」みたいなスレを見ていました。学生の頃からプログラマになりたかったのですが、面接に落ちたり、大学院を中退したり、面接に落ちたり、面接に落ちたり、女の子に振られたりしているうちに、負けることに慣れきってしまい、いろんなことを諦めていました。その割には、でもやっぱりプログラマやりたなぁ、などとぐずぐず2ちゃんねるですよ。

どういうきっかけがあったのか、まったく覚えていませんが「転職して職業としてプログラマになろう!」と決めたような気がします。どうせキャバ嬢にそそのかされたとか、そんなことがきっかけでしょう。で、面接とか受け始めるのですが、まあ、30代未経験が受かるわけがありません。

そういうとき、ググると、自分に都合のいい解釈ができるウェブサイトがすぐに見つかります。そのひとつがアクセンスのおまけ というページです。たぶん、ここに書かれていたような気がするのですが、当時「Python ハッカーを募集」って書いてあったのです。いまはもう書かれていません。ほら、世界は俺を求めている、とか思って安心だけしていました。いかにも不採用になりそうだったので、応募していません。

ハッカーに会おう


ひっぱってすみません、もうすぐ PySpa 出てきます。

普通に自分の職歴で転職しようとすると、どうしても、計測制御分野でマーケティング担当とか、マネージャとかになってしまうんですよね。ちがうんだよ。プログラマになりたいんだよ。ってなわけで、きっとハッカーたちが居るであろう勉強会に顔を出そうと思いました。初対面で話すとかまったくできないので、話聞いて帰るだけでした。行ってたのは Python Code Reading という勉強会で、そこで Python 3.0 の紹介をやらせてもらえることになりました。

講師をやると、その後の懇親会で、何もしなくても話しかけてもらえます。これすごく楽なんですよね。そのとき @atusi さんにも話しかけてもらえました。

atusi「いつも、どんなとこ行ってるんですか?」
私「いえ、ここ (Python Code Reading) しか来てないんです」
atusi「Python やってるんだったら、 BPStudy と Python 温泉っていうのに行ってみたらいいですよ」

おまたせしました、やっと登場、Python 温泉 a.k.a PySpa です。

atusi「Python 温泉は、集まってコード書いたりだらだらやってるだけなんですけどね。」

おお、ハッカーと温泉で仲良くなって、会社に入れてもらおう!という甘い策略を思いつきました。

私「ありがとうございます。早速申し込んでみます」


しかし…


当時の PySpa は、開催の告知をしたら、一瞬にして枠が埋まってしまって、ぜんぜん参加できなかったのです。くぅぅぅぅ。

けど真っ向勝負をしていたら、いつまでたってもプログラマになれないわけですから、PySpa に参加し、アクセンスの人と仲良くなり、うっかり間違って採用される、という目論見を持ち続けていました。

一方で、ソフトウェア開発の勉強会は、転職とは関係なく面白かったので、Python Code Reading や BP Study には、ときどき参加するようにしていました。あ、いや、ちょっとは期待があったかも。すみません、すみません。その後、ビープラウドで募集があったときに拾ってもらい、めでたくプログラマになれたわけです。


で、PySpa は?


その後も PySpa は開催されていたのですが、仕事や個人の都合、あるいは震災があったりとかで、参加していませんでした。やっと参加したのは、今年になってからです。

PySpa 経由で転職、というのは、まったく見当違いな目論見だったわけですが、 PySpa という道標があったから、その界隈にうろうろすることになり、プログラマになれました。

いまどき、35歳でプログラマになりたいような人がいるのか分かりませんし、PySpa を目指してもおそらくプログラマになれる気はしませんが。これを読んで PySpa 目指すよりも、手を動かしたほうがいい気がします。なので、この文章から教訓や方法論は得られないでしょう。最初に書いたように、おっさんの吐露です。

けど、まあ、何か偉そうに書いちゃおう。思いの丈を綴っていいらしいし。はっきり言って、プログラマになって後悔したことなんて、何回もあります。これからもあるでしょう。マーケやってたほうがモテたかも知れません。けど、プログラマになっていなかったら、もっと大きな後悔をしたはずです。死ぬまでずーーーーーっと「私は本当はプログラマになりたかったのに」と悔い続けたであろうことは、想像に難くありません。行動の諦めはいいくせに、気持ちだけ未練がましい私が、なんとか蟻地獄から抜け出せたのは、PySpa をゆるいながらも目指し続けていたからです。

ちなみに PySpa は、当初想像していたものとは、ぜんぜん違いました。


明日は、Python と人生とお酒の先輩である @turky です。