ホテルから野営地までは、団体出入り口から外に出て四車線の広い道路を渡るのが最短の道筋だ。しかし高麗遠征軍制圧区域に出入りする車はほとんどないので、道路はまるで夜の平壌のように換算としている。狙撃の危険があるわけではないのだが、車の行き来も遮蔽物もまったくない幅三十メートルの道路を横断するのは気持ちが悪かった。チェ・ヒョイルは、ホテルから野営地に戻るときはいつも福岡ドームの正面ゲートのほうから迂回することにしていた。
ホテルから野営地のモデルとなる広場を見た様子。前の道路が、チェ・ヒョイルが横断するのをためらっている道路。右側は、まっすぐ伸びていってて、遮蔽物はまったくない。正面に見える大きな建物が、九州医療センター。
作品では、開発がとまってこの広場は放置されていた、と書かれています。若干手入れされていますが、それほど積極的に使われていないようです。ヒルトンと病院の間のこの空間「どーすんだよ、ここw」みたいな感じになっているのかも知れません。
左のほうは道が右にゆっくり曲っていってきます。チェ・ヒョイルはこちらのほうから、迂回して渡っている。カラフルな建物群がホークスタウンで、物語の中では、高麗遠征軍による広場の制圧後は、営業していない、という設定。
なるほど、というようにチェ・ヒョイルは真剣な顔を崩さずにうなずき、橋を指差して、ずいぶん長い橋ですね、と言った。 [...] こんなに眩しいのにどうしてブラインドを下ろさないのだろうか。チェ・ヒョイルがそのことを不審に思ったとき、突然窓ガラスが割れ、外の空気が流れこんできた。チェ・ヒョイルが思わず身をかがめたとき、缶入りコーヒーに似た黒い金属の筒が前方の床に転がった。
観月橋から、岸の方を見た様子。右側の2階建ての建物に、戦闘劇の現場になったレストランが入っています。窓は南向きです。左側の岸の向こうのほうに、駐車場の車が見えます。
岸にいると、バルコニーに誰かが隠れているかどうかは、「誰かがいるんじゃないのか?」っていうつもりで覗きこまないと見えません。池にかかっている橋まできて、やっと見えます。
海からの風で煙がこちら側に漂ってきて、ホテルの根元の黒い穴が露になり、キム・ヒャンモクは奇妙な感覚にとらわれた。自分のからだが左に傾いていくような感じがしたのだ。視界が右に傾いていくようだった。カタツムリのような形をしたガラス張りの建築物が粉々になり、ガラスの細かな破片が飛び散るのを見て、ホテルが右に倒れているのだと気づいた。ナイフのよう形を保ったままホテルはゆっくりと傾いていき、地鳴りのような音と猛烈な風が起こった。
作中でキム・ヒャンモクがいた病院から道をはさんだ右側、ホークスタウンからの様子です。左から、ヒルトン福岡シーホーク、同じく4Fのアトリウム(作中/当時ラグナグ)、ヤフードーム(作中/当時福岡ドーム)です。
こんなものが倒壊したら、ひどいもんです。この写真をとっていた場所や、すぐ近くの野営地にいたら、爆風と飛んでくる瓦礫でアウトでしょう。作中では実際アウトだったわけですが。
そのうち他の写真もまとめるかも。