分野は書かないが、ワタシの知人は仕事で絶対に二案以上持って行くと言っていた。理由は「一案だけだと相手は『ダメ出し』が仕事だと考える。でも複数持って行くと相手は『選ぶこと』が自分の仕事だと考える。そうやって仕事をやりやすくしてく」とのことであった
— ばるぼら (@bxjp) 2014, 10月 28
念のために書いておくと、プロならベストな一案を持っていくべきとか、事前にすりあわせろとか、そういう話をしたいのではない。
自分の役割はなんなのか、相手の役割はなんなのか、という認識を醸成するという話なんだろうなと思った。それによって、前に進ませるのが目的なのだ。
ここで、ちょっと話をずらす。ダン・アリエリーが「予想通りに不合理」で出している例で、雑誌の定期購読の価格設定のエピソードがある。
1. オンライン購読 $59/year
2. 雑誌の定期購読 $125/year
3. オンライン + 雑誌の定期購読 $125/year
2 には、意味がないように見える。けれど、1、2、3 を提示した場合と、 1 と 3 だけを提示した場合では、後者のほうが 3 を選ぶ率が高かったという結果がある。「これは選ばないんじゃないかな」っていうのが入っていると、相対的に欲しいものがより明らかになってくる(あるいは、相対的に魅力的な選択に見えてくる)。
「これだろ」って提案がベストであっても、ちょっと外れた案が見えることによって、本命提案の精度が明らかになり、それゆえ精度を上げていくことができる気がする。