マジックって、たしかに、観客に何かが起こっていると見せかけるけれど、それって、実際に起こっていることを隠すためのものですよね。
真鍋瞬市が、高いポールの上に死体があったことに対して、死体を見せたいからではなくて、別のことから目を逸らしたいからでは、と、疑問を投げるセリフだ。実際がどうたったかは、読んでのお楽しみ。
ここから我田引水。プレゼンをするときにも、この手法は使えるだろう仮説。少なくとも私は今まで使ってきたし、これからも使うと思う。
場合によるけれ聴衆に何かアクションを起こして欲しいとき、何か変化を起こさせたいとき、伝える側がフォーカスして欲しいことに、聞き手にフォーカスさせたいことがある。そんなとき、嘘じゃないけど、注意の引き方を工夫する。
たとえば新製品や新サービスを発表をするとき。当然だけど、競合できて、自社製品にできないことや劣っていることがある。おそらくそれは戦略上、優先順位が低いから落とした機能だろう。けど、状況によっては(メディアや顧客は大事だと思い込んでいるかも知れないけど、こちらは重要ではないと思っているとか)、めんどくさい形で突っ込まれるかも知れない。そんなときには、100項目もある新機能ぜんぶではなくて、ポイントになる数機能にフォーカスさせるようなストーリィの組み立て方をする。うまくいっているのか、うまくいってないのか分からない。
ところで、そうやって推理小説にうまく騙されたときは気持ちいい。